2020年10月21日、消費者庁は『実在の通信販売サイトをかたった偽サイトなどに関する注意喚起 』を公表しました。
通信販売サイト(ECサイト)の被害の中で話題になっているのが、掃除機などの家電製品を取り扱うダイソン社の偽サイトです。
ダイソンの偽サイトが実際どのような作りになっているのか、偽サイトで騙されないようにするにはどうすればいいのか、万が一騙されてしまった場合にどのような対処ができるかについてお伝えします。
ダイソン偽サイトの作り
ダイソンの偽サイトは公式サイトの画像を盗用しているため、一見しただけでは本物なのか偽物なのか判別がつきません。
実際に公式サイトと偽サイトを画像で見比べてみましょう。
いかがでしょうか。
公式サイトでは「期末セール実施中」と記載がありますが、偽サイトではそれに加えて「最大85%OFF」と記載されています。
見比べると確かに違いはあるものの、初めてダイソンのサイトにアクセスした方であれば高確率で騙されてしまいそうです。
サイトの正当性を確認するため会社概要を確認される方もいますが、こちらも公式サイトと偽サイトで見比べてみましょう。
偽サイトではダイソンの社名・住所・代表者名などを公式サイトからソックリそのまま転用していることがわかります。
ただし連絡先のメールアドレスやホームページURLは公式サイトとは異なる情報が記載されています。
筆者も実際に偽サイトにアクセスしてみました。
(※偽サイトに関する詳細情報の提供を目的としているため、読者の方は偽サイトにアクセスしないようお願いします)
偽サイトではカートに追加の機能やほしい物リスト(ハートマーク)など、ECサイトとしての標準的な構造もしっかり作られていて、非常に巧妙な作りになっていることがわかります。
ダイソン偽サイトで購入するとマフラーが送られてくる謎
以下はLivedoor NEWS内記事の引用です。
都内の60代の自営業者が「ダイソンの通販サイトで、7700円の掃除機があるというので、さっそく注文した」のは、今年(2020年)8月下旬のこと。
ところが、1週間後に届いたのはなぜか「マフラー」だった。手数料などを含めた代金8800円はクレジットカードで支払い済み。
この記事によると、ITジャーナリストの三上洋氏は、「クレジットカード決済は入金が翌月末なので、被害者からクレジット会社に報告されないよう時間を稼ぐ」意図であると述べています。
また以下の記事では「より確実に、現金を手にするため」という目的があると、詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリストの多田文明氏が指摘しています。
従来の偽サイトではカード情報の搾取のみを行い、偽サイトで得たカード情報をもとに全く別の商品が購入されるという二段階の手法が一般的でした。
しかしカード利用者が通常行っている購買パターンと異なる場合に不正を検知するシステムが普及していることから、従来の偽サイトの手法では不正が暴かれる可能性が出てきました。
その対処として、ダイソンの偽サイトでは、マフラーが実際に購入されていることから、クレジット情報の搾取と決済が同時に行われています。
1商品当たり7000円程度と金額にしては特別高価ではないものの、多くの人を騙すことで収益を上げるビジネスモデルなのです。
ダイソン公式サイトと偽サイトの見分け方
あなたがダイソンの偽サイトに騙されないための見分け方です。
消費者庁が公表しているURL情報を確認する
消費者庁は公式サイトと偽サイトを見分ける方法として、URLを確認することが確実であることに合わせて、実際のURL情報について公表しています。
ダイソンでお買い物をする際は、偽サイトのURLを一つ一つ覚えるのではなく、公式サイトのURLと合致するかについて確認するようにしましょう。
VirusTotalを活用してURLの正当性を確認する
ダイソンの偽サイトは今後増える可能性があります。
上記のサイト一覧に載っていないURLの場合、VirusTotalを活用することでURLの正当性を確認します。
今回の例では、上記偽サイト情報の一番最初のURLについて調査します。
VirusTotalの画面でURLタブをクリックし、調べたいURLを入力、虫めがねボタンにて検索を実行します。
検索結果画面です。
2020年10月25日現在、Fortinetなど4つのウイルス対策エンジンで赤表示されています。
赤表示が1つでもあった場合、偽サイトである可能性があるためアクセスしないようにしましょう。
「本当にいいものってそんなに値引きしない」
タイトルの言葉は、消費者庁がダイソン偽サイトの公表を行ったことを踏まえ、タレントの長嶋一茂さんが2020年10月23日にテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」でコメントした内容です。
ダイソンのような品質の良い製品が大幅に値下がりしていることに対して、直感的に疑えることは大事ですね。
ダイソン偽サイトに登録してしまった、買ってしまったときの対処
個人情報や決済時に入力したクレジットカード情報が別の決済で悪用される二次被害を防ぐ必要があります。
消費者庁は振込先の金融機関および消費者ホットラインに速やかに相談するよう注意喚起を行っています。
消費者ホットラインでは、トラブル解決のための助言を無料で受けてくれます。
まとめ
当ブログはダイソンを応援しています。
ダイソン偽サイトの普及によって、ダイソン社の売り上げが減少しないことを切に願っています。
購入を予定している方は以下からどうぞ。
ダイソン偽サイトに関するまとめです。
- 一見では公式サイトと偽サイトを見分けできない
- サイトのURL情報を確認して正当性を判断するようにする
- 万が一騙されてしまった場合、消費者ホットライン(188)に電話して相談する